現役・看護師に聞きました!vol.4 ICUナース編

インタビュー
  • 答えてくれた人:ひむろ
  • 臨床経験:7年目(異動1回:ICU→HCU)
  • 部署:ICU・HCUナース

ICUとはどのような場所ですか?

あんな
あんな

ひむろさん、本日はよろしくお願いします。

まずはICUではどのようなことをしているのか教えてください。

ICUは、それこそコロナ禍でちょっと有名になったと思います。

具体的に言うと、1回心臓が止まってしまった患者さんの命をなんとか繋ぎ止めて、心臓の動きを取り戻した患者さんを少しでも次のステップに持っていけるように、集中的な管理をしています。

本当に重症な患者さんが入院してくるという場所ですね。

ICUに配属されて大変だったこと

あんな
あんな

ICUに配属されて感じたことや、大変だったことがあれば教えてください。

やっぱり重症の患者さんが入院するところなので、学生の頃、実習で1回も見たことがないような医療機械だったりとかありました。

あんな
あんな

確かに、ICUの実習は3日ぐらいしかなかったのであまり詳しく勉強する機会がなかった記憶があります。

医療機械だけでもすごく色々な種類があって、それが何の働きをしていてどういうところに気をつけなきゃいけないかとか、そういうところの勉強も大変ですね。

あと、本当にいろんな種類の疾患の患者さんが入院してくるからこそ、色々な疾患の勉強をしなければいけないので、学ばなきゃいけないところがたくさんあるっていうところが1番大変でした。

ICUはそういう重症な患者さんと関わるので、学生で習ってきた解剖生理などの基礎知識をもっと深掘りしていくようなイメージですね。

あんな
あんな

そうなんですね。

知識を付け足していくというか、深掘りに近いイメージなんですね!

具体的には血圧ってまずどういう計算をするのかとか、何が基準で血圧って決まるのかとか、心臓の動きってどうなのとかですね。

他にも、どうして呼吸数が上がったり下がったりするのっていう、細かい部分の深掘りとかもあります。

あんな
あんな

確かにそこまでは、看護学生の時に詳しく授業で教えてもらったりはしなかったと思います。

知識の根を張らせてくみたいな感じのイメージですね、本当に勉強は多いと思います。学生の時の知識が使えないわけではないけど、それだけでは絶対足りないっていうような感じですね。でも、学ぶのが好きな方にはすごく楽しいと思います。

あんな
あんな

ひむろさんも学生の頃から、勉強が好きなイメージがあります。

勉強が好きな学生さんの進路にはもってこいですね!

ICUの働き方に関して質問

あんな
あんな

素朴な疑問ですが、ICUでは1人の看護師さんに対して何人の患者さんを担当しますか?

ICUは1対2なので、看護師1人に対して患者さんは2人ですね。

いま働いている病院のICUは6床だから、夜勤は3人の看護師で行います。

あんな
あんな

そうなんですね。普通の一般病棟で働いていると、どうしてもICUとかHCUの働き方のイメージがつかないので新鮮です!

はい、確かにICUは閉鎖的な空間で独特なイメージがありますね。

ICUにも、オープンICUとクローズICUっていうのと、2種類あります。

専属医が一通り全部担当する事もあれば、もう主科の主治医が見て、形だけ専属医がいるみたいな感じの場合もあります。

ただ一概にどこの病院もそういうやり方ってわけではないですね。本当にその先生たちのルールに従う感じです。

あんな
あんな

知らなかったです。

同じ看護師なのに知らない世界があって面白いです。

医療ドラマを観て思うこと

あんな
あんな

よくテレビで医療ドラマが放送されていると思うんですけど、それ見て「いや、ちょっと現場ではそれはないかなー」って思うことってありますか?

重症な患者さんのシーンがあった時に、ICUに入院しましたみたいなシーンがあったりすると思います。そういうシーンの時に、例えば点滴の種類が変だなって感じたりします。

このタイミングでこの点滴は絶対やらないだろうな、という違和感を感じることもあります。

他にも、ICUだと人工呼吸器を装着している患者さんもたくさん看護しますが、挿管されている患者さんのシーンとか見て、「いや、こんな固定の仕方じゃ絶対抜けてしまう。」って思ったりしますね。

多分、ドラマを作る上でも実際の医療者が最終確認をしていると思いますが、ちょっとなんか現場とは違うなっていうところは感じますね。

あんな
あんな

挿管の固定の方法などは、現場で働いているからこそ気が付くところですね!

専門性が高いなぁと感じます。

もし看護師になっていなければ、どんなお仕事していたと思いますか?

あんな
あんな

ひむろさんは、もし看護師じゃなかったら何をしていたと思いますか?

自分はもともと看護師になろうとは全く思ってなかった人間でした。

高3の秋冬頃に色々事情があって、大学はだいぶ厳しそうだからっていうことで、その時に応募できた看護学校に応募した感じでした。

元々は建築の方に行きたいと思っていたので、看護師をやってなかったら建築関係の仕事をやっていたんじゃないかなって思います。

あんな
あんな

そうなんですね。建築関係だと建築士さんですか?デザイナーさんとかですか?

デザイナーというよりは建築士とかですね。

自分の父方の実家がもともと建設の会社をやっていたので、まあ自分もそういう仕事をしていたのかなと。高校生までそういうイメージでした。

あんな
あんな

今の看護職とは全然違いますが、建築士さんも似合いそうですね!

今後の目標を教えてください

認定看護師なども迷ったこともありますが。

まずは自分の能力が客観的に見てどのぐらいなのか知ること。

知った上でその能力を活かすには、どういう風に、どういう場所だと生かせるのかなっていうところを見つけるところが、今の直近の目標ですね。

医療職以外の方へのメッセージ

遠慮してしまい、なかなか素直に医療職者に思いを伝えられないご家族の方が多いなって感じています。急に具合が悪くなったりして、本人もご家族の方も変化に気持ちが追いついていないことや、受け入れができなかったりとっていうこともあると思います。

そういう時に僕たち医療職者とご家族との間で、ちょっと壁を感じてしまうこともあります。

なので、看護師に対してそういう壁とか作らずに、もっとフランクに接してもらい、聞きたいことや不安な気持ちも我慢せずに思いを伝えたりしてもらえると嬉しいです。

全国の看護学生さんへのメッセージ

1番モチベーションになるのが、患者さんからの言葉や、家族からの言葉ですね。

「ありがとう」の一言で、やっぱり看護師をやっていて良かったなみたいな部分を感じます。

働き始めてからも、学生の実習の時に関わった「あの患者さんの、あの一言がすごく嬉しかったな」って心に残っています。

コロナもだいぶ落ち着いて、実習の機会も増えてくると思うので、患者さんとの関わりっていうところを大事にしてもらえるといいかなと思います。

その患者さんからの言葉をモチベーションにして頑張れると思うし、働き始めてからも、その時の関わり方や看護観を自分は学んだかなって思う。

なので、勉強は辛いと思いますけど、実習とか患者さんの関わりっていうところは特に頑張ってもらえると、良いのかなっていう風に思います。

全国の看護師の仲間へ

看護師という立場は、病院の中で板挟みにされるというか、仲介役みたいな部分になることが多いと思います。なので辛い部分だったりとか、考えなきゃいけない難しい部分だったりとか、そういうのはあると思います。

でも逆に言えば、それができるってことは自分たちが周りを動かすこともできるっていうことなのかなとは思うので、大変ですけど「やらされているっていうよりは、こっちが動かしてやる」そのぐらいの気持ちでやった方が、せっかくなら楽しいというか、やる気も出ていいのかなと思うのでオススメです。立場的に難しいところが多いですけど、こっちがやってやるんだぞ!ぐらいの強気な気持ちで、みんな頑張っていけるといいのかなと思います。