夜勤が終わった朝、ナースステーションの窓から見えた空が、
ほんのりピンク色に染まっていて、なんだかそれだけで癒された。
忙しすぎて、時計を見る暇もなかった夜だった。
急変もあって、記録もギリギリ。
自分の判断が正しかったのか、不安な場面もあった。
誰かに「頑張ったね」って言ってほしいな、なんて思いながら
ストレッチャーを片付けてたら、
あんながポツッとつぶやいた。
「今日、けっこうしんどかったね。でも、こはるの対応すごかったよ」
その一言で、心の中のぐしゃぐしゃが少しほどけた。
大丈夫。全部じゃなくても、ちゃんとやれてた。
そんな気がして、ふと見上げた空が、さっきよりもっと明るくなってた。
こはる
